Q.歯学部で何を学ぶ?
Q.医学部とどのように違う?
Q.人体解剖を行う?
歯学部で学ぶ内容について、以上の疑問順番に解決していきながらご説明いたします。
Q.疑問に対するA.答えが読み進めるとわかります。
知りたい疑問が明確な場合は目次・Contentsにて知りたい項目をタップしてください。
歯学部ではどのようなことを学んでいるかみなさんご存知ですか?
そもそも医学部とどう違うのか。こちらの記事では学年ごとに学ぶ教科を列挙しながら歯科医師になるまでについてお話しいたします。
法律も学ぶの?
解剖もする?なぜ解剖する?
どんなことを学ぶの?
医学部とどう違うの?
沢山の疑問が湧いてくるとおもいます。
こちらの記事ではまず学年別に学ぶことを教科をもとに列挙してまいります。大学ごとにカリキュラムは多少異なりますが概要は同じですので時系列に沿ってご理解いただければ幸いです。
歯学部入学から歯科医師になるまで
Q.歯学部ってどんなことを学ぶの?
A.歯学部で学ぶこと(以下参照・学年別)
1年生(第一学年)
所謂教養と呼ばれる学年。大学受験の延長ともいえる内容を学びます。
英語
数学
化学
物理
理科
生物
第二外国語(ドイツ語、中国語…)
その他選択科目など
大学ごとの方針は多少違いますが大学受験の延長の内容とご理解ください。
2年生(第二学年)〜3年生〜4年生
基本的には2〜4年次に専門科目を学びます。
座学はこの期間で基本的には終了です。正確にはCBT受験までに全ての座学を一周します。
専門科目は大きく基礎科目・臨床科目に分かれます。
基礎科目
基礎科目は生物や化学の延長で人体に関して深掘りした内容。
基本的に基礎科目は医学部と同様の内容で特に歯科・口腔領域について詳しく学びます。人体解剖も医学部と同様歯学部も行いますが頭顔面部の領域に時間をかけます。
臨床科目
臨床科目は歯科医師として治療に携わる際の様々な処置を分野ごとに分けた内容です。
基礎に比べ臨床科目は医学部とは全く違う内容です。
医学部でも歯科について学びますがその時間はたった数時間。その数時間で学ぶのはあくまで概要であり(ほぼ基礎科目の範疇)、座学だけでも2〜3年間にわたり歯周組織や頭顔面部について深堀りし学ぶのが歯学部です。
全身についても学びますが必要な部分は詳しく。全身で関連の薄い専門的な範囲については概要を学びます。
基礎科目
解剖学
生化学
生理学
組織学
病理学
歯科理工学
歯科薬理学
法医学
衛生学
臨床科目
放射線学
麻酔学
補綴学
高齢者歯科学
保存修復学
歯内療法学
歯周病学
障害者歯科学
口腔外科学
小児歯科学
矯正歯科学
CBT・OSCE
歯学部CBT・OSCEは実施時期が4年生の冬〜5年生の夏です。大学により実施時期は異なります。
CBTを実施するまでに全ての座学が終了しており、CBTとOSCEを終えると病院実習が始まりまるのです!
5年生(第五学年)
基本的には約丸一年間かけて病院で実習を行い目で見て学びます。
実習の際は必ず歯科医師の先生方の指導のもと、患者さんにも臨床実習についての同意をいただき実習させていただきます。
6年生(第六学年)
大学によりますが臨床実習を終えると国家試験までの試験勉強期間です。
歯科医師国家試験は歯学部卒業もしくは歯学部卒業見込みのものに受験資格が与えられます。
その他予備試験合格者や外国の歯学部卒業者のうち条件を満たす者の受験も可能ですが今回は説明を省略させていただきます。
2021年度歯科医師国家試験
ちなみに直近の国家試験は第114回歯科医師国家試験。
2021年令和3年1月30日(土)・31日(日)
今年度の試験日程です。
研修医
歯科医師免許取得後1年間研修医として臨床経験を積む義務があります。
最短1年。研修場所によっては2年でカリキュラムが組まれまれております。
以上最短歯学部在学6年+研修医1年の計7年を経て歯科医師となるのが一般的な最短ルートです。
歯学部と医学部の違い
医学部とどのように違うの?
イメージとしては医学部のうちお口の分野だけ切り離され、独立した学問として存在するのが歯科です。
歴史としては医科よりも歯科は古く同じ医療の分野ですが様々な理由から切り離され今の形となりました。
歯科口腔領域の専門家だけ切り離されただけであり、医科で例えば眼科だけが最初から切り離され、大学では全身についても学ぶが主に目について学ぶ。そんなイメージです。(あくまで例え話とご理解ください。)
A.以上医学部と歯学生の違い
人体解剖について
人体解剖を行う?
身体の正常な構造を明らかにするための解剖は、医学に関する大学において行うものとする。
死体解剖保存法 第10条
人体解剖を許されているのは日本において現行の法律のもと医学生と歯学生のみです。
他学部の学生は見て学ぶことは許されますが、メスを入れることは許されません。死体損壊・遺棄罪などに該当します。
法律により守られて我々は学ぶことを許されていることを忘れてはなりません。また献体してくださった方やそのご家族への敬意を決して忘れず実習を行わせていただくべきです。
A.歯学部も人体解剖を行う。人体解剖(系統解剖)を許されているのは医学生、歯学生のみである。
最後に
個人的な経験談ですが、歯学部なのになぜ人体解剖をするの?と医学部の友人に問われたことがあります。
正直驚きました。
歯科医師が医師として認識されていないのだとその時悟ったのです。
認識の低さがゆえ、社会のイメージが故、そのように思われてしまっているのは大変残念なことです。
この記事でイメージが変わり歯科界への理解少しでもが深まりますように。